とらやぎです。(目からウロコです)
著者:ダン・アリエリー(訳:熊谷 淳子)
タイトル:予想どおりに不合理 行動経済学が示す「あなたがそれを選ぶわけ」
行動経済学の本。人の脳は簡単に騙されるんだそうです!
普段の生活で、けっこうカモられているかもしれませんよ!
著者ダン・アリエリーによると、わたしたち人間は行動経済学からみてちっとも合理的ではないそうです。「ただしどう合理的でないかは規則的で予想ができるし、それを知ってさえいれば対策もできる」とも言っています。
ぜひ合理的でない自分の脳を理解し、カモられることから解放されましょう。
学んだこと
まずはこちらの動画を紹介
著者の講演会です。本書の内容をユーモアたっぷりに話されており、楽しく学ぶことができますよ(英語のスピーチ、字幕付き)
17分があっという間でした。
相対性の真相
- 高級な看板メニューを設定すると、店全体の売上が上がる→たいていの人は、一番は選ばないが、二番目に高いメニューは選ぶから(値段は関係ない)
「おとり」選択肢の罠
情報誌の選択肢において、以下の3択だと、たいてい3が選ばれる
- WEB版のみ:56ドル・・・16%
- 印刷物のみ:125ドル・・・0%
- 印刷物+WEB版:125ドル・・・84%
しかし以下の2択では、1を選ぶ人が多くなる
- WEB版のみ:56ドル・・・68%
- 印刷物のみ:125ドル・・・32%
はじめに明らかに劣る選択肢(おとり)を含ませることで、結果的に125ドルの高い方を選んでしまう人が増える
旅先を決める時も「おとり」が有効
この2択なら迷うが、
- イタリア
- ローマ
この3択なら明らかに3が選ばれやすいらしい。
- イタリア
- 朝食にコーヒーが無いホテル+ローマ
- 朝食にコーヒーがあるホテル+ローマ
本当に!?と思いますが、人間は、常に比較で考えてしまうんだそうです。
合コンへの応用
もし自分を選んでほしければ、選択肢をこのようにすれば良い
- 友達
- 自分に似ているけど少し劣っている容姿の友達(おとり)
- 自分
こうすれば、自分がより魅力的に見えて、選ばれる可能性が高くなる!
給料の相対性
- もし全員の給料が公開されれば、みんな自分の給料が安すぎると感じる
- 最高経営者達は莫大な報酬を得ているが、更に莫大な人に嫉妬している
相対性への対策
比較対象をあらかじめ絞る
高給取りの給料は比較に入れない。家を買う時は分不相応な高級物件ではなく、手頃な物件のみで比較する
視野を広げる
200万円の車のシートを革製にするのに3万円払うのに、家のソファに3万円払うのはものすごく悩むことが多い。
高級レストランで10000円のコースに2000円のデザートを平気で追加するのに、コンビニで200円のデザートの50円割引券をわざわざ用意する。
車の購入や高級レストランに比べれば相対的に安いと感じることも、さらに視野を広げて、もっと有効な使い道を見出すのが大事ですね。
相対性の罠
海外で出会った日本人とは意気投合しやすいが、日本に帰ってきてもう一度会ってみると、意気投合した理由が分からなくなることが多い。
何故かというと、海外では周りが外国人ばかりなので”相対的に”一番マシな話し相手だから、日本に戻ってくるとそうでもなくなる。
需要と供給
- 初めに高い金額や大きな数字を見たり書いたりすると、そうでない場合と比べてより高い金額で購入しても良いと感じる。
- 買っても良いと考えた時点で値段が刷り込まれる。これを「アンカー」と言う
スターバックスの例
初めて店に入った時、コーヒー1杯500円は高いと思った人が多い。そして一番安い商品だけを購入する
しかし、それを何度も続けているとそのうち「ちょっと違う商品も頼んでみよう」と思う。コーヒー1杯に500円払うことにアンカーが刺され、気にならなくなる
などなど。
にわかに信じがたいですが、世の中のセールスマンたちはこんな行動経済学を利用して商売しているんだそうです。
これを知っていると、罠に気づく。
全く知らないと、一生気づかない。
知っているのと知らないの差は天と地ほど大きいと思える本でした。以上。